診療録直結型全国糖尿病データベース事業

研究概要

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研究の概要

本研究は「診療録直結型全国糖尿病データベース事業(英語名:Japan Diabetes compREhensive database project based on an Advanced electronic Medical record System)といい、略称でJ-DREAMSといいます。

糖尿病患者さんのデータベースを構築して、糖尿病治療の実態を把握し、「どのような患者さんが多いのか」「どういう患者さんに対して、どういう治療をするのが最適なのか」などを調べることで、将来の日本の糖尿病治療の質を高める方法を検討します。

国立研究開発法人国立国際医療研究センターと日本糖尿病学会が共同して、全国の病院に参加を呼びかけます。2015年度で3万人、継続的に大規模のデータベース構築を目指す、過去に類をみない大規模な研究となります。

今回の研究の特徴は、電子カルテに「糖尿病標準診療テンプレート」と呼ばれる入力画面を作ることで、参加している全ての病院のデータのフォーマットを統一的にすることが出来る点です。
そして、この情報を匿名化した後に、国立研究開発法人国立国際医療研究センター内に設置する糖尿病クラウドセンターに収集することで、糖尿病患者のデータベースを構築することができます。

研究の重要性

我が国の平均寿命が伸び、透析に至る腎障害や冠動脈疾患、脳卒中を高率に生じる糖尿病患者において長期予後の改善は大変重要な課題となっています。

糖尿病は全透析患者の原因の36.6%となっており、冠動脈疾患と脳卒中の発症率は一般の約3倍、2倍と健康寿命に大きく関わり(JDCS報告)、糖尿病患者とその予備群は各々成人の10%を超え(国民健康栄養調査)大きな社会的問題となっています。ですがその一方、本邦の糖尿病実態調査であるJDCP studyやJDCSは、他の国々と異なり、糖尿病専門施設での一部の患者カルテデータの手作業収集に基づき、日本全体での実態を必ずしも反映しないのが実情です。

平成18年1月に「IT新改革戦略」が発表され、その中で「ITによる医療の構造改革」は、今後のIT施策のトップに位置づけられていますが、糖尿病のデータベースを構築できない原因の一つが、「電子カルテ上に保管されているデータの形式が、病院によって異なっている」ということです。 そこで本研究では、患者さんを匿名化した上で、各病院のデータのフォーマットを統一し収集システムを構築することで、大規模な患者データベースを構築することを目的としています。 このシステムが普及することで、今後、様々な研究を行う時に、このデータベースを用いて、効率的に研究を実施することが期待されています。

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